仕事で複数人宛てに届くメールを運用していると、
「このメール、誰か対応した?」
ということはありませんか?
メール自体は担当者全員に届いていても、
- 誰が確認したのか
- 誰が対応するのか
- すでに処理済みなのか
までは分かりにくいことがあります。
私自身、社内SEとして実際の業務で同じような問題を経験しました。
そこで利用しているのが、Power AutomateとTeamsを組み合わせたメール共有です。
対象となるメールをTeamsのチャネルにも共有し、対応した人が「👍」などのリアクションを付ける。
それだけでも、
「まだ誰も対応していない」
「すでに誰かが処理した」
という状況がかなり分かりやすくなりました。
この記事ではPower Automateの詳しい設定手順ではなく、実際の業務でメールをTeamsへ共有してどのように使っているのか、使って感じたメリットや注意点を紹介します。
具体的な設定方法については、こちらの記事で紹介しています。
→[Power AutomateでOutlookメールをTeamsへ自動転送する方法|Outlookルールと組み合わせた実例]
※Microsoft 365やPower Automateの仕様・ライセンス内容は変更される場合があります。実際に導入する際は、自社環境の契約内容や管理者設定も確認してください。
実際の活用例|Web注文の処理漏れをTeamsで防ぐ
実際に業務で使っているのが、Webから届く注文情報を複数人で処理するケースです。
注文が入ると担当者全員が登録されたメーリングリストへメールが届きます。
ただ、実際に運用していると「メールは全員に届いているけれど、誰が処理したのか分からない」という問題がありました。
そこで、対象メールをPower AutomateでTeamsのチャネルにも共有しています。
Teams側では、対応した担当者が「👍」を付けるというシンプルな運用にしました。
これだけでも、リアクションがなければ「まだ誰も対応していないかもしれない」、付いていれば「すでに誰かが対応している」と判断しやすくなりました。
実際に使って感じたメリット
実際にメールをTeamsへ共有する運用をして感じたメリットは、メールそのものを便利にするというより、メールを受け取った後の状況が分かりやすくなることです。
特に大きいと感じるのは、
誰が対応したのか分かりやすいこと。
これだけでも、複数人で同じメールを処理している業務ではかなり違います。
また、普段からTeamsを開いている環境であれば、メールだけを確認するよりも気付きやすくなります。
Teams上でそのまま相談することもできます。
「この件どうします?」
と別途メールを作る必要もなく、その投稿を見ながらチーム内でやり取りできます。
そして何より、
今まで使っていたメールの仕組みを捨てなくていい
というのも使いやすいところです。
メールはこれまで通り残しつつ、Teamsを補助的に使う。
大掛かりな業務変更をしなくても導入できるところはメリットだと思います。
Power Automateを使わなくてもいい場合もある
ここは意外と重要です。
Power Automateは便利ですが、
Power Automateを使うこと自体が目的にならないようにする
ことも大切だと思っています。
Teamsのチャネルでは、組織の設定によってチャネル宛てのメールアドレスを利用できる場合があります。
もしWeb注文システムなどの送信先を自由に変更でき、
Web注文
↓
Teamsチャネルへ直接メール
という形にできるのであれば、わざわざPower Automateを間に入れる必要はありません。
仕組みは単純であるほど、後から管理するものも少なくなります。
Power Automateを使う前に、
「もっと簡単な方法はないか?」
を考えてみるのも大切です。
一方、
- 元のメールアドレスへの送信は残したい
- 特定のメールだけTeamsへ共有したい
- Outlook側の条件で対象を分けたい
といった場合には、Power Automateを間に入れるメリットがあります。
Power Automateを業務で使うときの注意点
Power Automateは簡単な処理であれば比較的導入しやすく、とても便利です。
ただ、実際に社内で利用していると、
「便利だからどんどん作ればいい」だけでは済まない
部分もあります。
特に部署や会社単位で継続して使う場合は注意が必要です。
作成した人のアカウントに依存することがある
Power Automateで作成したフローは、作成したユーザーのアカウントや、そのユーザーが設定した接続情報を使って動いている場合があります。
そのため、
誰が作ったPower Automateなのか分からない
という状態はできるだけ避けた方がいいです。
個人が自分の作業を少し便利にする程度であれば、それほど大きな問題にならないかもしれません。
しかし、部署全体で継続して使うのであれば、
誰が作ったのか。
誰が管理するのか。
どのアカウントを使っているのか。
異動した場合は誰へ引き継ぐのか。
といった部分まで考えておいた方が安心です。
異動や退職で突然動かなくなることがある
これは実際に経験したことがあります。
ある日、
「今まで届いていた通知が急に届かなくなった」
という問い合わせがありました。
原因を調べていくと、
すでに退職した人が作成したPower Automateで処理されていた
というケースでした。
利用している側からすれば、
「この通知は○○さんのPower Automateで動いている」
なんて普段は意識していません。
そのため、
通知が届かない
↓
利用者が困る
↓
情シスへ問い合わせ
↓
原因を調査
↓
退職者が作成したPower Automateだった
ということが起こります。
便利に動いている間は意識されない仕組みほど、止まったときに原因を探すのが大変です。
業務で継続して利用するのであれば、
作った人がいなくなっても処理を継続できるか
まで考えておく必要があります。
簡単に作れるからこそ管理されていないフローが増える
Power Automateの良いところは、簡単な処理であれば専門的なプログラミング知識がなくても作れることです。
ただ、これはメリットである一方、情シス側から見ると困るケースもあります。
例えば、
「便利そうだから自分で作った」
↓
「半年間問題なく動いていた」
↓
「突然エラーになった」
↓
「原因が分からない」
↓
「情シスさん直してください」
というパターンです。
情シス側からすると、自分たちが作ったものではありません。
まず、
「何をするためのフローなのか」
「誰が作ったのか」
「どこで失敗しているのか」
から調べる必要があります。
会社としてPower Automateを広く利用するのであれば、作成することだけでなく、その後どう管理するかも考えておいた方がいいと思います。
Power Automateだけに頼り切らない
今回紹介しているメール共有についても、
Teamsに転送しているから元のメールはもう見なくていい
という運用にはしない方がいいと思っています。
Power Automateもクラウドサービスなので、接続やアカウント、サービス側の変更などによって、今まで動いていたものが止まる可能性があります。
今回の仕組みも、
メールを確認しなくてよくするための仕組み
ではありません。
あくまで、
メールの見落としや処理漏れを減らすための補助
として使っています。
元のメールはこれまで通り確認する。
そのうえでTeamsも使い、誰が対応したのか分かりやすくする。
個人的には、このくらいの使い方がちょうどいいと思っています。
もし今まで動いていたメール転送が急に動かなくなった場合は、別の記事で確認ポイントをまとめています。
→[Power Automateでメール通知が届かないときの確認方法|実際に行っている切り分け手順]
ライセンスや社内ルールも確認する
Power Automateは、Microsoft 365の契約内容や利用するコネクタなどによって、利用できる機能や条件が異なります。
会社によっては、管理者側で利用できる機能が制限されていることもあります。
そのため、業務で利用する場合は、
自社のMicrosoft 365環境や社内ルールを確認したうえで利用する
ことをおすすめします。
Microsoft側のサービス内容も変更される可能性があるため、実際に導入するときは最新情報も確認してください。
Power Automateは「ちょっと不便」を改善するのに向いている
Power Automateを使っていると、
「あれも自動化できる」
「これも自動化できる」
となりがちです。
ただ、個人的には何でもPower Automateへ置き換える必要はないと思っています。
Power Automateが使いやすいのは、
「今のやり方でも仕事はできるけれど、ここだけ少し不便」
という部分です。
今回のメール運用も同じです。
メールという仕組みそのものをやめる必要はありません。
ただ、
複数人でメールを処理すると、誰が対応したのか分からない
という問題がありました。
そこだけをTeamsで補う。
メール
+
Power Automate
+
Teams
という、すでに会社で利用しているサービスを組み合わせるだけでも改善できることがあります。
こうした小さな業務改善に使いやすいところが、Power Automateの良さだと思っています。
まとめ|Power Automateは便利だけど、運用まで考えて使う
今回は、メールだけでは分かりにくかった「誰が対応したのか」という問題を、Power AutomateでTeamsへ共有することで見えるようにしました。
実際に業務で使ってみると、ちょっとした不便を改善するには便利な一方で、作成者の退職によってフローが止まるといったトラブルも経験しました。
Power Automateは作って終わりではなく、誰が管理するのか、止まったときにどうするのかまで考えておくことが大切だと感じています。
今回のようなメールをTeamsへ転送する具体的な設定方法については、以下の記事にまとめています。
→[Power AutomateでOutlookメールをTeamsへ自動転送する方法|Outlookルールと組み合わせた実例]

